パチスロ「老舗メーカーが4年の沈黙を破ってリリースした業界復帰作」~4号機名機伝説~ 瑞穂製作所『タコスロ』編 part①【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.139】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.139
東京ベイエリアは江東区有明に本拠を構える業界最大手メーカー、ユニバーサルエンターテインメント。
その傘下にある5つのブランドのうち、古くは0号機の時代からグループの一翼を担ってきた最古参が、近年では『アナザーゴッドハーデス』シリーズでお馴染みのミズホである。
同社は元々、パチンコメーカーの瑞穂製作所として1970年代終盤に関西で創業し、80年代初頭にパチスロ機の開発・製造に着手。ほどなくユニバーサルグループの傘下に入った。
1号機時代にリリースした『ファイアーバード』シリーズは、高い連チャン性と数々の攻略法で長きにわたって幅広いファン層に愛されたが、同社の存在感をことさら世間に知らしめたのは、やはり1990年秋にリリースされた3号機『コンチネンタル』だろう。
ホール導入早々、ビッグ主体の激しい連チャン性でたちまち一大センセーションを巻き起こし、90年代初頭における「連チャン機ブーム」の先駆けとなった本作。登場から半年後には、簡単手順で自在にビッグをかけることのできる「4枚入れ攻略法」が発覚するなど、スキャンダラスな話題でも注目を集めた。
ところが、それらの原因がすべて、コインセレクターに取り付けられた後付けのパーツにあったことが明らかになるや、たちまちその違法性が問題化。結果、『コンチネンタル』は検定取消処分となり、メーカーの瑞穂製作所には新機種の型式試験持ち込み3年間停止という重いペナルティを科せられることとなった。
「ひょっとしたら、このまま業界から撤退してしまうのかも知れない──」
一時はそんな風なことも囁かれた瑞穂製作所。しかし、騒動から4年あまりの歳月が経過した1996年暮れ、禊ぎを済ませた同社は1台のマシンをもって見事に業界への復帰を果たす。
コミカルなタコのキャラクタ「八っちゃん」をフィーチャーした、その名もズバリ『タコスロ』である。
■タコスロ
先の『コンチネンタル』がまとっていた重厚かつトラディショナルなデザイン&モチーフからは一転、ポップで明るい意匠を採用した本作。
仕様はオーソドックスなAタイプで、スペックは設定1でも273分の1という破格のビッグをメインに、対するREGにも全設定にわたって贅沢な数値が奢られているのが特徴である。
先発の『クランキーコンドル』や『CCエンジェル』と同様、ボーナスの連続性を追求した確率設計であるわけだが、導入直後に7枚交換のホールで行われた初実戦では速攻&数珠連打が頻発するなど、期待以上の実力を見せてくれた。
その一方で、ストレートで600ゲームや700ゲームを超えるハマリにも度々遭遇、中にはストレート2055ゲームという気の遠くなる大ハマリを見せたケースもあった。とにかく、その尋常ではない荒波っぷりは当初、大いに物議を醸した。
そんなスリリングなゲームを彩るのは、もはやユニバーサル系マシンには不可欠となっていた多種多彩なリーチ目。しかし、それを生み出すシステムは、『クランキーコンドル』や『CCエンジェル』とは大きく異なるものだった。
大量リーチ目の先駆けである山佐のマシンや、それをリスペクトしたユニバーサルの先の2作は、リール制御に絵柄の停止位置を記したデータテーブルを用いる方式が用いられていた。いわゆる「テーブル方式」というシステムである。
一方、『タコスロ』の場合は、「ストップボタンを押した位置に応じて、フラグ成立絵柄を引き込んで停止させるためのスベリコマ数を検索するテーブルを選択する」という、非常に独創的なシステムを採用。
停止出目のバラエティが一般的なテーブル方式と同様の多種多彩さを誇ると同時に、いわゆるコントロール方式(引き込み制御)のような「押した位置とリールの挙動によって期待度が激変する」といった性格も持ち合わせていたのである。さながら軟体動物のごとく変幻自在な出目演出といったところか。
そんなゲーム面での特徴を持つ本作だが、何よりもファンを熱中させたのは、やはり技術介入性の高さを置いて他にないだろう。そんなわけで次回、『クランキーコンドル』をも陵駕すると言われた二大定番攻略法について、振り返ってみたい。
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