パチスロ「プロ志向のプレイヤーを奮起させた破壊的攻略法」~4号機名機伝説~瑞穂製作所『タコスロ』編 part②【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.140】
~パチスロ4号機名機伝説~『タコスロ』編 part②
3号機『コンチネンタル』の一件で検定取消処分を受けたユニバーサルグループ傘下の瑞穂製作所が、4年もの長い沈黙を破って1996年暮れにリリースした業界復帰作『タコスロ』。
コミカルなタコのキャラクタ「八っちゃん」をフィーチャーした、ポップでカラフルなデザインは、いかにも万人受けしそうな感じであったが、しかしその実態は、あの『クランキーコンドル』をも陵駕する、ハードコアな技術介入マシンだったのである。
■破壊的効果のリプレイハズシ
攻略の目玉となるのは、言うまでもなくビッグ中のリプレイハズシ。結果から言うと、テキトーに消化するのと比べて、理論値で最大46枚もの枚数増加が期待できたというのだから、その破壊力は強烈だ。
手順は、まず中リールに「白7・スイカ・リプレイ」を狙い、停止型に応じて左→右の順に小役奪取、もしくは右→左の順に小役奪取あるいはボーナスイン阻止という流れである。しかしこれが「言うは易し」というわけで、完遂するにはかなりのスキルが求められた。
小役奪取については、さほど難しいものではなかった。通常時と同様、ビッグ中の変則打ち時もスベリコマ数検索テーブルによってフラグ成立絵柄を完璧に引き込むため、『クランキーコンドル』など純粋なテーブル式制御を用いるマシンのように「配列上は引き込めるのに制御のトラップで小役を取りこぼしてしまう」ということが無かったからだ。
問題は、ボーナスインを阻止する場合の左リールの目押し。配列上、正確無比なビタ押しが必須のため、直視ができる上級者ならともかく、そうでない初級~中級レベルのプレイヤーにとっては、極めて難易度が高かったのである。
そこで考えられたのが、リールの自動停止を利用して台にリプレイハズシをさせる、その名も「カラ回しリプレイハズシ」。
自動停止時は前回の停止位置から2コマズレて停止するため、前ゲームでの準備目の作成と当該ゲームでのリプレイのテンパイライン限定により、左リールが勝手に止まるのを待つだけでリプレイハズシできてしまうのである。
重低音の効いたBGMが大音量で流れる中、左リールが自動停止するのを「ぼーっ」と待つのは、ある意味で度胸が要ったが、うまくやればビタ押しハズシと同等の効果が期待できた。
■白7の4コマスベリがアツい通常時の小役狙い
通常時は、左リールをテキトーに押していると配列上、チェリーはもちろんのことメイン小役のプラムやレア役のスイカなどすべての小役を取りこぼしてしまうため、小役狙い打法が必須。その効果は、テキトー打ちと比べて千円あたりプラス2ゲームと絶大だった。
手順は、左リールに「BAR・プラム・リプレイ」を狙い、停止型に応じて中・右リールを押し分けるという流れ。
最初の目押しが正確なら、ズルッと4コマスベって白7を下段まで引き込めばビッグorスイカにつき激アツ。攻略効果のみならず、タコスロならではスベリ制御を楽しむためにも、この手順は必須だったのである。
ちなみに、等価のホールで設定3の台を6000ゲーム消化すると仮定した場合、完全フル攻略と完全テキトー打ちとの理論上の差は、金額にして3万6千円強。開店から閉店まで休むことなくブン回せば、この1.5倍となる勘定だ。凄い話である。
いにしえの名機『ファイアーバード7U』を彷彿とさせる高い技術介入性をもって登場した『タコスロ』。先発の『クランキーコンドル』とともに本作は、プロ志向のプレイヤーたちを大いに奮起させ、90年代終盤のパチスロシーンにおける技術介入ブームを牽引するのであった。
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