【虎党アニマルかつみの特別コラム】阪神が優勝した年のぱち&スロ話[3]2003年編~4号機時代末期を支えた「二大巨頭」が登場
【虎党アニマルかつみの特別コラム③】
2023年の流行語大賞ともなった「アレ」を記念しての特別コラム「阪神が優勝した年のぱち&スロ話」、第3回は2003(平成15)年のお話である。
就任2年目となる星野仙一監督は、万年Bクラスからの脱却、そして優勝の二文字を勝ち取るべく、選手の3分の1以上を入れ替えるという大々的なチーム改革を断行し、シーズンに臨んだ。
あまりに大胆すぎる「血の入れ替え」に対し、当初は懐疑的にとらえる声も少なくなかった。しかし、シーズンが始まってみるとすべては杞憂であったことを、タイガースファンのみならずすべての野球ファンは思い知らされる。
物語の始まりは、4月26日の甲子園での対広島戦。8回表終了の時点で6点ものリードを許していたのだが、その裏の攻撃でなんと一気に9点を取るという奇跡の逆転勝利をおさめ、首位を奪取する。そこからはもう、まさしく怒濤のごとき勢いだった。
2位以下をまったく寄せ付けないブッちぎりの独走を続けた結果、7月8日の岡山倉敷(星野監督の故郷)での対広島戦で、セ・リーグ最速記録(当時)となるマジック「49」が点灯。そして迎えた9月15日の甲子園、広島を3-2の僅差で破り、2位のヤクルトが敗れたことでチームは18年ぶりとなるリーグ優勝の栄冠に輝くのであった。
■4号機時代末期を支えた二大巨頭の登場
さて、パチスロ業界にとっての2003年は、4号機時代の終焉へ向けたカウントダウンが本格化した節目の年でもあった。
2001年初頭にサミーからリリースされた『獣王』を皮切りに、過激な出玉性能を有するいわゆる爆裂AT機が続々と登場。史上空前ともいえる出玉狂騒に、市場は大いにヒートアップする。
しかし、次第にその行きすぎた射幸性を問題視する声が高まり、翌2002年7月に日電協は自主規制案を策定。「適度な射幸性を超えるおそれがあると認められる遊技機」を規制の対象とし、その中の「著しく射幸性が高いと認められる3機種」が検定取消となった。
ともかく、この自主規制により90年代終盤から青天井で激化の一途を辿ってきたパチスロの出玉性能に歯止めがかけられる格好となったわけだが、そんな中、1台のマシンの登場によりパチスロ人気はトーンダウンするどころか、さらなる盛り上がりを見せることとなる。
他でもない。累計販売台数62万という空前のメガヒットを記録し、社会現象的な一大ムーブメントを巻き起こしたサミーの『北斗の拳』である。
「ケンシロウがラオウに勝ち続けている限り連チャンが継続する」という新機軸の出玉エンジン「バトルボーナスシステム」は、原作漫画の世界観を再現した液晶演出もあって至極のスリルを生み出し、原作ファンはもちろんそうでないプレイヤーをも大いに魅了した。
そんな『北斗の拳』の好敵手として人気を博したのが、大都技研からリリースされた『吉宗(S)』。「711枚の大量獲得ビッグが1ゲーム連する」という瞬発力の高さが最大の魅力の本作だったが、親しみやすいキャラクターを活かしたコミカルな液晶演出もあって、こちらもまた幅広いファン層に愛され大ヒットとなる。
仕様や出玉特性がまったく異なる『北斗の拳』と『吉宗(S)』だったが、これら二大巨頭を中心に4号機時代終盤のパチスロ市場は、大いに活況を呈するのであった。
■阪神が優勝を決めた当日のエピソード
最後に、阪神が18年ぶりのリーグ優勝を決めた9月15日当日のことについて、私的なエピソードを綴っておきたい。
当時、パチスロ必勝ガイド7という隔月刊行の雑誌で、マッパチが旬の新機種をホール実戦する「カイドウメジャーリーグ」という企画をやっていて、その日は朝イチから相方のガル憎と埼玉のホールに赴き、アリストクラートの『マッハゴーゴーゴー』を打っていた。
「ひょっとしたら今日、決まるかも…」ということで朝から気持ちが落ち着かず、広島出身で大のカープファンであるガル憎ともども、ケータイサイトで逐一試合運びをチェックしつつの実戦だった。
14時に始まったデーゲームは終盤まで広島のリードで進んだが、9回裏に赤星がサヨナラ打を放って勝利。それから2時間後、ヤクルトが横浜に敗れたことで、18年ぶりとなる阪神のリーグ優勝が決まった。
ちょうど、実戦を終えて帰り支度をしていた頃だった。一目散に帰宅して優勝ムードに浸りたかった。が、ホールのオーナーさんから「せっかくなんで一杯、ご馳走させてください」と誘われ、むげに断るわけにもいかず宴席に臨むことになった。
宴もたけなわの頃、「終電の時間があるので」と適当なことを言って中座し、急いで世田谷の自宅に帰り着くと、いままさに祝勝会の中継が始まったタイミングだった。
冷蔵庫から缶ビールを数本取り出し、ベランダに出てテレビからの「乾杯!!」の号令とともにビールを浴びた。深夜だったので心の中で歓喜の雄叫びを上げつつ、黙々とビールを浴びた。最高に気持ちよかったが、しかし後始末はけして楽なものではなかった。
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