パチンコ「稀代の爆裂」名機……「キセルと80%」が作った修羅の台!!【パチンコ名作シリーズ・初代を追え】
2020年2月にP機初となる「花の慶次」がリリースされた。前作から2年間の充電期間を空け、時代と規則に対応した最新鋭のマシンは早くも市場を席巻している。
もはやニューギンという遊技機メーカーだけに留まらず、パチンコを代表するコンテンツにまで成長した「花の慶次」である。
同機種の単独イベントが毎年開催され、常時何千人ものファンが詰めかける大盛況の記念祭となっている。今の時代、ひとつの機種だけでこれだけの動員を集められるコンテンツはないだろう。
そんな「花の慶次」がパチンコで登場したのは2007年である。自民党歴史的惨敗からの第一期安倍内閣の突然の退陣。年金記録漏れ5000万件や東国原英夫宮崎県知事誕生など政治的な話題が多かった。
流行面でいえば、ハニカミ王子、「どんだけ~」など、やはり懐かしい匂いがするワード群である。あのエリカ様の「別に」騒動もこの年だ。
パチンコ界隈では、春に『CRぱちんこ必殺仕事人III』『CRピンク・レディーセカンドツアー』といった超大物が登場していることもあり、ニューギンとしては巻き返しの一手として期待を込めたマシンであったであろう。
結果、MAXタイプだけで13万台を売り上げる大ヒットを記録した。大当り確率1/399.25、確変継続率80%、負ければ出玉なし。フルスペックのバトルタイプとして爆裂機の名を縦(ほしいまま)にしたのである。
前年の暮れに登場した京楽の『CRぱちんこウルトラマン』を後追いする形となったが、原作の世界観や迫力ある演出、「キセル」といったしびれる一発激アツ予告など、要因はいろいろ挙げられるが、なんといっても主人公である前田慶次のキャラクターと戦国時代を舞台にした手に汗握るRUSH演出が完璧に噛み合い、その出玉性能と相まって多くのファンを魅了したのである。
先の『ウルトラマン』や同じくバトルシステムで人気を博した『北斗の拳』など、従来のバトルシステムはキャラが1対1で戦い、その勝負の行方を見守るゲーム性であったが、本機においては「戦さ」という規模の大きな戦いに設定したことで、よりダイナミックに、そしてより複雑にバトルを描けるようになったのである。
こうして、いわゆる「RUSH」における表現力に深みが増したことで没入感もすさまじく、さらに平均6.1回の連チャン力が恍惚感も与えてくれる。爆裂マシンとして完成度の高い機種となっているのである。
以降、「花の慶次」はパチンコ界における一大ブランドに成長し、最新作『P花の慶次 蓮』まで13年間、兄弟機も含め34タイトル、トップランナーとして君臨し続けている。
(文=大森町男)
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