「破格の大当り確率＆強力時短」搭載パチンコ機？「スマスロ」登場に似た感覚を…

「新しい時代」がやってきた感覚を…

　平成の時代になってから、現在では全撤去されたパチンコ「CR機」が登場しました。直近でいえば「スマスロ」が登場しているみたいに、何か新しい時代がやってきた感覚でした。しかし現金機と比べると、大当り確率はかなり低く、その分連チャン精度を高めたものでした。

　つまりは射幸性が上がったということです。

　そうなれば手持ちの予算の無い私にとっては、なるべく現金機を探して大当りの回数を稼ぐしかなかったのです。個人的には「CR機でも確率の高い機種が出てほしい」といつも感じていましたのですが…。願いが届いたのか、本当に確率の高い機種が登場したのです。

　その救いの機種が、1996（平成8）年に登場した『CRアラビアンハーレムEX1』（京楽）です。この近辺のCR機といえば、確変突入率が3分の１で以後2回確変ループする荒いタイプが当たり前でした。しかし同年に、通常大当り終了後に時短100回付いた『CR大工の源さん』（三洋物産）も登場していました。

「破格の大当り確率＆強力時短」を備えた傑作

　同機のスペックです。大当り確率は破格の257分の１、出玉もいたって普通に約2,300発あります。確変突入率は15分の4ですが、確変ループは1回のみです。平均連チャン回数は2.3回でした。ただ、同機は大当り終了後に時短機能が備わっていたのです。確変終了後には50回、単発大当り後には20回でした。

　リーチは4種類ほどありました。信頼度の順に「ノーマルリーチ」、「アラジンリーチ」、「魔人リーチ」、「王女リーチ」です。アラジン、魔人、王女のそれぞれの小さいキャラクターが画面上から降ってくるようにやってきて、スーパーリーチとして発展します。

　ゲーム性は、その機種名からしてアラビアンな曲調で絵柄が回転します。繰り返しますが、スーパーリーチに発展する前に各リーチの小さいキャラクターが降りてくるのですが、同時期に同社から登場した現金機『夢幻伝説』にとても似ていました。

『夢幻伝説』もスーパーリーチに発展する前に、絵柄の下に小さいキャラクターが登場します。『夢幻伝説』を知っていた皆さんならば、開発者が同じだったのかもしれないと思うでしょう。

　また本機には2つの特徴がありました。1つは、時短機能での時間効率の良さ。時短中の絵柄変動では、リーチに絡まない回転では２秒ほどで消化していたのです。当時としては、なかなか見られない機能だったと思います。

　2つめは、予告として「絵柄スベリ」を搭載していたという事。右の絵柄が停止する直前に「ブオーン！」の音と共に大きく滑ります。必ずしもリーチになるとは限りません。そのほとんどが演出的なものでテンパイしないのですが、連続で滑る場合もありました。これで発展すると、スーパーリーチで大当りする可能性大でした。

確率が高いがために残念なことも…

　同機を打つ機会は数回ありましたが、やはり確率が高かったので近所のパチンコ店ではなかなか導入していませんでした。都内のパチンコ店まで遠征して、やっと打てる感じです。スペックの通りに爆発力では劣ってしまっていたので、あまり人気は無かった印象ですね。

　人気は無かったとはいえ、私のようにCR機でも大当りを体感したい人にとっては画期的な機械だったはずです。各メーカーが似たような機種ばかり発表するのではなく、スペックを差別化したことは一石を投じたと言えるでしょう。現状の遊技機もそうですが、一風変わったレアな機種をメーカーには発表してもらいたいです。