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「破壊」された超人気パチンコでの実戦【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第79話:器物損壊罪】

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ドラゴン広石コラム『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第79話:器物損壊罪
ドラゴン広石コラム『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第79話:器物損壊罪

第79話 器物損壊罪

 皆さんは通称・ハンマーおじさんの話を聞いたことがありますか? 当コラムの68話でも冒頭で少しだけ触れましたが、ハンマーおじさんは2016年の7月に埼玉県の某ホールでパチンコに負けたことに腹を立て、同店に設置されていた「CR牙狼 魔戒ノ花」約30台のガラス等を片っ端から溶接用のカストリハンマーで破壊して回ったそうです

「わしの金が消えて店長のフェラーリに変わっとるんや!」

 ハンマーおじさんはそう叫びながら台を破壊したと言われてますが、逮捕時に所持していたお金はわずか500円だったそうです。所持金を全部スってから破壊するのではなく、最低限の晩メシ代は残して事件に至ったところに妙な冷静さを感じますが、いずれにせよハンマーおじさんが起こした破壊行為には「器物損壊罪」が適用されるため、取り調べのために何日か拘束されたあと、相応のペナルティを受けたんじゃないかと思います。

 ただね、こういう大事件の陰に隠れて目立ちはしないけど、些細な器物損壊はホールの至る所で行われていました。たとえば遊技中の台を損傷させる行為。昔、私が井荻に住んでいた頃に通っていた荻窪の某ホール(現在は閉店)では、「GoGoランプ」を根性焼きされたジャグラーが数台ありました。

 おそらく、あまりにも光らないことに腹を立てた客の誰かが、その場の勢いでライターで炙ったかシガレットを押し付けたんだと思います。高性能の監視カメラが多数設置されるようになって以降はさすがに見なくなりましたが、何年か前まではリール窓や液晶部分に傷を入れられた台が散見される店もあったんです。たぶん鍵のようなもので引っ掻いたんでしょうね。

 これらの行為について、やった本人は気分的にスッキリして溜飲を下げたかも知れませんけど、店側と他の一般客にしてみれば大迷惑です。だって、根性焼きを入れられたジャグラーが空いていたとして、そんな縁起の悪い台を打つ気になりますか? 私は絶対に避けて通ります。だって、ジャグラーは「GoGoランプ」が光る瞬間が楽しいのに、肝心のランプが焦げてたら光っても嬉しさが半減しちゃうもの…。

 また、私は液晶演出の写メ収集をライフワークにしてますが、液晶を覆う硬化プラスチックのカバーに傷が入った演出なんて撮りたくないので、そんな台は勝負台の候補から無条件で外します。

 そういう「こだわり」を持つプレイヤーが一定数いる以上、心無い遊技客にイタズラされた台は稼働率が下がり、最終的には店側の利益低下に繋がるんですよ。利益が出ないと必然的に投入設定が下がり、出なくなるから客離れが起き、当然の流れとして更に設定状況が悪化する。ようするに「負のスパイラル」ですね。軽い気持ちで行った台へのイタズラが、結果的には打ち手の首を締めることになるので、これらの器物損壊行為は絶対に行ってはいけません。

 しかし、世の中にはそういう道理がわからない人もいるんですよ。今回紹介するのは、そんな人の犠牲になった可哀想な機種のエピソードです。

 以下、本編。

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 時は平成19年(2007年)の11月。この日、私は某店に導入された『スーパーお父さん2』でチンチンにやられ、放心状態で帰宅途中にフラフラと他店に吸い込まれたんです。

 立ち回りのアテがあったわけじゃありません。ただ、このまま帰りたくなかったのよね。首尾よく狙い台を確保して、戦って戦って戦い抜いて負けたなら、納得して素直に家に帰っていたと思います。

 だけど、スーパーお父さん2を打った理由は「新台だからなんとなく確保した」だけで、成り行きで打ち始めて結構な額を貢いだため、気分的に受け入れられなかったんです。こういう展開で未練打ちに走ってしまうと、大抵は更に負債を増やして後悔する…という哀しいオチが待っているものですが、今の気分はブレーキの壊れたダンプカー。止まりたくても止まれないんです。

 さて、何を打とうか? 今日はもうスロなんて見たくもないから狙いはパチンコ。だけど大好きな『ぱちんこ必殺仕事人Ⅲ』のシマに空き台はなし。仕方なく店内を端から見て回ると、何故だか『CR花の慶次~雲のかなたに~』に1台だけ空席がありました。

『CR花の慶次~雲のかなたに~』
ニューギンの大ヒット機種『CR花の慶次~雲のかなたに~』。大当り確率1/399.25、確変突入率80%のループタイプで、通常時の出玉あり大当りは全て確変の「戦モード」へと突入する。出玉なし大当りには潜伏確変の可能性があり、極傾奇ゾーンに突入すると潜確期待度がアップする仕組み。現在も続く「花の慶次シリーズ」の初代であり、この機種のブレイクにより下火になりつつあった「バトルタイプ」が見直された。演出面での注目ポイントは激アツの「キセル予告」。今や慶次シリーズの代名詞でもあり、リーチ後に特殊な導入画面(階段を上る映像)から発展する。発生時の大当り期待度は60%だ。(写真は私・広石の個人ライブラリより)

 てゆーか、バリバリの人気機種である慶次になんで空き台があるんだろう。もしかして釘が激シブで、千円あたり10回転くらいしか回らないとか? 不審に思いつつも釘姿を確認すると、さして悪いようには見えません。私の釘読みなんて素人に毛が生えた程度なのだけど、思うが早く台を確保して打ち始めていました。

 すると、数回転でボタンPUSH演出が発生。よくある会話演出で特にアツいわけでもないのだけど、私はしっかりとボタンを押します。もちろん、押しても押さなくても大当り抽選に影響はありませんが、要は気分の問題です。楽しむためには台の演出に積極的に参加しなくちゃね。

 しかし、台の上皿にあるボタンを押した私は妙な感触に驚きました。というのも、どう考えても普段の触り心地じゃなかったんです。えっ?…と思ってボタンを見ると、なんとボタンがあるべき場所にぽっかりと穴が空いてるじゃないですか~っ!

 この瞬間に全てを理解しました。たぶん、前任者が負けた腹いせにボタンをぶっ叩いたんじゃね? だけど、普通に叩いたくらいでボタンが陥没するとは思えないし、おそらくは百円ライターの底か何かで力任せに叩いて貫いたんでしょう。こんな行為は悪意を持ってやったに違いないし、器物損壊罪に該当することは明らかです。なるほどね、だからこの台だけ空いてたのか…。

 そう理解した瞬間に、私は上皿の玉を放置して店から逃げ出しました。お店側が気づいてないということは、ボタン破壊後にあまり時間が経ってないのでしょう。こんな所に居たら私が犯人にされちゃいます。

 同義的にはお店側に知らせて詳細を説明すべきなんでしょうが、今日はすでに結構な負債を抱えて気分が沈んでいたし、正直言って面倒ごとに巻き込まれたくなかったのよ。てゆーか、両隣のお客さんはよく平然と遊技を続けられたものです。

 その後、あの台がどうなったか私は知りません。ボタンが壊れた状態で営業するわけにはいきませんから、気づいた時点で所轄に変更届を出して修理したのでしょう。店側にしてみれば大迷惑ですね…って、通報もせずに逃げた私が言えた義理じゃありませんが、どんなに負けても台の破壊は絶対にいけません。

 どうしても破壊したければ、中古の実機を購入して思う存分破壊してください。それなら自己責任で済みますからね。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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