初代『ミリオンゴッド』よりも勝った機種とは?【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第94話:最も勝ったパチスロ】
■第94話 最も勝ったパチスロ
以前、当コラムで「個人的な最高獲得枚数&それを叩き出した機種」というテーマで記事を書いたことがありますが(第37話)、今回は視点を少し変えて「個人的にトータルで最も勝った機種」について紹介しようと思います。
この2つのテーマは同じような内容に見えて、その実、両者のベクトルは全く異なります。
わかりやすく例を挙げましょう。4号機時代に「自身の最高獲得枚数」を樹立したプレイヤーの多くは、初代『ミリオンゴッド』による記録達成でした。
■初打ちでPGGも引き「10万勝ち」
ご存知の読者さんも多いと思いますが、この機種は通常時のコイン持ちを極限まで削ぎ落とし(通常ゲーム中はリプレイすら揃いません)、出玉の割数を全てゴッドゲーム(GG)に極振りした、パチスロ史上最強にして最恐の爆裂AT機です。
初代ミリオンゴッドがデビューした当時、ガイド編集部でも多くのスタッフがその破天荒な出玉性能の虜になりましてね。担当ライターのアニかつさん(アニマルかつみさん)やタケちゃん(中武一日二膳さん)は、実戦中にいろんな武勇伝を残しました。
もちろん、私もご多聞に漏れず初代ゴッドを打ちに行きましたよ。そして、初打ちでいきなりSGGを引き、PGGも引いて10万勝ちを飾ったんですけどね。
ちょっと怖い出来事があった上に(詳細は第25話を参照)、万札が溶けていく速度に戦慄したこともあって、打ち込むことはありませんでした。まぁ、当時は他に面白い機種がいっぱいありましたから、無理してゴッドを打つ必要がなかったんですね、ええ。
少し話が逸れたので元に戻します。初代ミリオンゴッドを体験した多くのプレイヤーが、この機種で自己最高出玉記録を樹立した…と前述しました。おそらく、それに該当する読者さんも多いことでしょう。
しかし、1日単位で切り取れば超大勝ちを飾った経験があったとしても、機種としてのトータルで見れば大負けしている人が圧倒的多数ではないでしょうか。
つまり、そういうことです。最高獲得枚数を叩き出した機種と、トータルで最も勝った機種とは必ずしも一致しないというか、異なることがほとんどなのです。
実際、私はホール店長さんや元ホール店長さんの知り合いがいますが、皆さん「初代ミリオンゴッドでは店の利益が凄く上がった」と口を揃えます。もちろん、タケちゃんのように初代ゴッドで最終的にン百万も勝った猛者もいますが、そんなのは例外中の例外です。
以上の前提を踏まえて、皆さんも「トータルで最も勝った機種」を振り返ってみませんか?
私の場合はこの機種でした。
■初代『ミリオンゴッド』よりも勝った機種とは?
機種名は『アーリーバード』、メーカー名は東京パブコ…と言っても、ご存知ない方が多いでしょう。同メーカーは昭和55年に日電協(日本電動式遊技機工業協同組合)が発足した際の組合員(全9社)の1社で、関東の名門メーカーとして0号機時代から数多くのパチスロをリリースしてきた回胴界の老舗です。
後に2号機時代になると大ヒット機種『アニマル』を開発し(当時のメーカー名はアークテクニコ)、天下にその名を知らしめました。特徴的な7のフォルムや小役絵柄は、そのままアニマルに継承されてます。
納戸の奥に厳重に保管している昔の収支帳を遡って調べてみると、アーリーバードが登場した昭和60年から(私が同機種を打ち始めたのは昭和62年の4月から)、後に1.5号機『ニューポート』へと基板が改修される昭和62年の秋まで(大分県の基板改修は10月)、7ヶ月間の収支は以下の通りでした。
昭和62年(1987年)
4月 +156,300円
5月 +307,000円
6月 +230,300円
7月 +72,900円
8月 +288,600円
9月 +146,300円
10月 +44,100円
トータル +1,245,500円
この7ヶ月間、他のパチスロを少しは触ってますし、パチンコの収支も含まれているので厳密に言うと「1機種の収支」ではないのですが、他機種での収支はせいぜいチャラライン洋子でしたから、実収支からさほど乖離してはいないと思います。
てゆーか、当時ホームグラウンドにしていた別府市の某店は7枚交換だったのに、私のような下手くそがよくぞこんなに勝てたものです。やっぱり、当時の設定状況と機種のスペックに助けられていたんでしょうね、ええ。
ちなみに、7月に収支が落ち込んだ理由は「朝イチから打ちに行くのをやめた」から。私の実家から某店まで車で1時間くらいかかるため、手を抜いて重役出勤するようになったら大幅に収支がダウンしました。その反省から8月以降は再び朝イチのモーニング争奪戦に参加するようになったんですけどね。
10月1日付けで中津市の某土木建築業者に就職したため、再び収支が大幅に下がることになりました。ここらへんは拙著『ドラゴン広石の枠上人生①②巻』に詳しいので(白夜ムック)、気になる方がおられましたらアマゾンかメルカリで中古本を探すか、電子版をご購入いただければ幸いです。
でまぁ、今回の結論ですけど、結局は「長く打ってる機種」に分があるんですよ。現在のようにデビューして数週間で稼働貢献を終えるような機種では「トータルで最も勝った機種」になるわけがないし、昭和の時代はホール側の姿勢も今と全く違います。今は新機種を導入した初日から機械代の回収に走る店もありますが、昔は「種まきをして長期計画で広く浅く回収する」というホールがほとんどでした。てゆーか、私は本当に良い時代にパチスロを打てたと思います。
そんなわけで、今回は「昭和の昔語り」をお届けしました。また次回!
※追記
前回のコラムで「ワンダーセブンの設定変更手順」を紹介しましたが、昔の機種に詳しい読者さんによると、「手順そのものは間違っていないが、これはユニバ系1号機の設定変更手順である」とのことです。ご指摘くださったMOPさんに感謝するとともに、謹んでお詫びと訂正をいたします。
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